慢性胃炎で「ピロリ菌」の除菌が保険適用に

投薬で胃がんのリスクが3分の1に!



慢性胃炎と診断された人の「ピロリ菌」の除菌治療が今年の2月から医療保険の適用になりました。
ピロリ菌は、人の胃の中に生息する細菌で、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどを引き起こすと考えられています。1994年に、世界保健機関(WHO)によって胃がんの確実発がん因子として認定され、強力な発がん性で知られるアスベストと同じ最高の危険性を示す「グループ1」として認定されています。
日本人の2人に1人は感染しているとされ、50代以上では特に感染率が高く、80%程度と言われています。


ピロリ菌の検査は、息や尿、血液を採取する検査法で簡単に検査ができます。除菌法は、2種類の抗生物質と胃酸の分泌を抑える薬の計3種類の薬を1週間飲むだけです。
一部の人に下痢などの副作用が伴うこともありますが、7~8割の方が除菌に成功します。

保険で除菌を受けるには胃内視鏡検査が必要となります。「なんとなく胃の調子が悪い」という症状の方は、ぜひ医療機関を受診し、胃内視鏡検査を受けてください。検査後に慢性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍などと診断されれば、ピロリ菌の検査やその後の除菌は保険が適用されます。


除菌後は胃がんのリスクが3分の1に低下すると考えられており、今回の慢性胃炎での除菌の保険適応は胃がんの予防に大きな前進になると非常に期待されています。





H25/5 朝日サリー投稿